ふく動物病院

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フェレットのインスリノーマ

フェレットのインスリノーマについての文献を簡単にまとめてみました。


フェレットのインスリノーマ
文献によると血糖値が70mg/dl未満のフェレットはインスリノーマが疑われる。またインスリノーマに罹患している49頭のフェレット全てが血糖値60mg/dl未満であった。インスリノーマと診断されたフェレットは内科的、外科的に治療する。インスリノーマの仮診断が行われた時点で、低血糖の臨床徴候を軽減するために内科的治療を開始する。今回は治療内容の概略と日常生活の注意点をまとめました。

内科治療
内科治療は低血糖の臨床症状を制御するのに有効であるが、インスリノーマの進行を抑えることはできない。
・プレドニゾロン:軽度~中等度の低血糖症状を示すフェレットで用いる。
末梢組織におけるブドウ糖の取り込みを阻害し、肝臓における糖新生を増加させることによって末梢血の血糖値を上昇させる。
・ジアゾキサイト:プレドニゾロン単独投与で低血糖の臨床症状が制御できない場合に併用する。膵臓のベーター細胞からインスリンの放出を阻害し、また肝臓におけるグリコーゲン分解と糖新生を促進し、細胞のブドウ糖の取り込みを減少させる。
外科治療
一般に6才以下のフェレットあるいは副腎疾患を併発していることが疑われるフェレットに対しては外科的治療を推奨している。外科治療は通常根治的ではないが、インスリノーマの進行を抑止または遅延させる。

食餌
食餌は頻繁に与えるように、食べ物のない時間を長くとらないようにする。推奨される食餌は獣肉を主体とした高蛋白質のフェレットフードをあたえてください。また低血糖症状を示していない場合に蜂蜜やコーンシロップなどの単糖を与えない事。これは与えた直後にインスリン分泌を刺激して低血糖症状を示すことがあるからである。