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整形外科
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TPLO(Tibial Plateau Leveling Osteotomy)
前十字靱帯断裂 Cranial Cruciate Ligament Ruputureは大型犬、小型犬の跛行(歩様の異常)の一般的な原因の一つとして考えられています。
「犬の前十字靱帯断裂の模式図」
<前十字靭帯断裂の典型的なX線所見>
脛骨の前方変位(いわゆる膝崩れの状態)・関節液の貯留が認められます
犬のTPA(青線)の正常角は犬種などによる報告が少数方向されておりますが、前十字靭帯断裂症例では、経験的に25度程度で認められております。
「TPLO実施により"膝崩れを"がなくなります」
TPLOの手術目的の一つにTPAの矯正(5度程度にすること)が挙げられます。
症例①TPLOを実施したラブラドールレトリバー
(TPLO施術後X線写真:SYNTHES社製3.5mm TPLOプレート)
人の前十字靱帯断裂の原因はほとんどが外傷性(スポーツや怪我)によるものとされておりますが、犬の前十字靱帯断裂の原因は変性(いわゆる老化現象)によるものが多く、犬の場合には、早ければ6歳齢の症例から、中高齢(10歳前後)に多く認められる疾患です。
「治療について」
前十字靭帯の断裂に対する手術術式は数多く報告されております。
関節外制動術(ラテラルスーチャー法)が日本国内では一般的に行なわれておりますが、関節外制動術では膝関節の安定性を得るために非吸収性の糸を用いて行なわれる為、糸の「断裂」や「ゆるみ」により臨床症状が再び認められる症例が存在します。近年では日本国内でも前十字靭帯の断裂に対して、脛骨水平部骨切り術(TPLO)が広く用いられております。TPLOと呼ばれる術式は1993年にSlocum により考案され、以後米国を中心として20年以上の歴史があります。
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猫の膝蓋骨脱臼(cat patellar luxation)
猫の膝蓋骨脱臼は比較的稀であり、2006年の42例の報告(Catherine A. Loughin)では、
34例(約80%)が両側性脱臼
8例(19%)が片側脱臼
95%が内方脱臼と報告されています。
外傷歴が認められたものが7例(16%)と報告されているところから、先天性の筋骨格系の影響が考えられます。 -
犬の膝蓋骨内方脱臼(Medial patellar luxation)
膝蓋骨内方脱臼(MPL:Medial patellar luxation)は犬の整形学的問題として広く認識されてきました。多くの報告で病因や臨床兆候、手術方法、その長期的、短期的な治療結果が議論されてきました。一般的に推奨されている手術方法は軟部組織再建と大腿骨滑車溝の形成と脛骨粗面の転移術が挙げられます。患肢の角度強制が必要な場合は最も重篤と考えられます。
膝蓋骨脱臼のグレード(進行度)は一般に4段階で表記されます。
Gradeはわかりやすく分類するとGrade1-2は習慣性脱臼(触診時には膝蓋骨が正常の位置にある状態)
「よく脱臼するが、ニュートラル(平常時には)では脱臼していない」ものがGrade1-2になります。
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骨折治療 超小型犬用1.5mm LCP(Locking Compression Plate System)
超小型犬(2kg以下)の橈骨・尺骨骨折の治療のためLCP1.5mm(Locking Compression Plate)(SYNTHES社製)を導入しております。
「4-5ヶ月齢柴犬(ミニ柴)橈骨尺骨骨折の治癒過程(抜プレート実施)」
(SYNTHES社製LCPプレート1.5mm)
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小型犬の橈骨尺骨骨折
近年の小型犬ブームによりポメラニアン、パピオン、トイプードルなどの小型犬の前肢の骨折が増えています。(橈骨、尺骨骨折)
「症例1」
「イタリアングレーハウンド橈骨・尺骨骨折:術前X線」橈骨遠位端横骨折
「イタリアングレーハウンド橈骨・尺骨骨折:術後X線」
(SYNTHES社製 LCP コンディラープレート 2.0mmを用いて治療) -
先天性内反足(congenital clubfoot)(第98回獣医麻酔外科学会アワード受賞)
猫の先天性内反足は非常に珍しい症例です。後肢の内反変形が認められ、足首が曲がりません。
本症例の治療法は
第98回 日本獣医麻酔外科学会「先天性内反足の猫の1例」
第11回アワード受賞 整形・神経部門 優秀賞を受賞しました。
人医領域では広く知られている疾患ですが、小動物領域では、猫の整形外科の成書にも記載はなく、
獣医領域では明確な治療のガイドラインはありません。 -
骨折治療(Fracture treatment)
当院では2014年よりパワーツールSYNTHES社製 ColibriやLCP Plate
(Locking Compression Plate System)を用い
より高度で正確な固定を実現する事が可能となりました。
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術後管理(Postoperative care)
骨折の手術を行なった場合は、術後必ずX線検査を行いアライメント、整復度、インプラントの設置に関して評価を行ないます。これをシステマチックに評価するため4つの「A」の頭文字を用いて評価していきます。