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イヌ
僧帽弁閉鎖不全症
獣医医療の進歩や飼育環境の改善で10才を超える高齢犬を外来で診る事も多くなってきました。
そんな中で診察中に聴診にて心雑音が認められることがあります。
その雑音の多くが僧帽弁閉鎖不全であり、中には三尖弁閉鎖不全も認められます。
(三尖弁閉鎖不全についてはまた次の機会に掲載していきたいと思います。)
僧帽弁閉鎖不全症の病態としては、僧帽弁逆流がもたらす心拍出量の低下、肺うっ血、心筋不全が上げられます。そいれに伴う症状としては、咳がでる、散歩に行きたがらない(運動不耐)食欲の減退、痩せてきた、などが挙げられます。
早期に心不全の病態を把握することができれば、早期に治療や生活指導を行い、心不全の進行を防ぐ事ができます。先に述べた症状がみられる場合や、日々の身体検査にて心臓に雑音がある犬は積極的に循環器の精査を行う事をお勧めします。
それでは実際どのように病態を把握できるのかをみてみましょう。
まず正常犬の心臓の超音波画像です。
![]()
正常犬の左室短軸像
1歳半 柴犬雌
FS:35.7%この
FS(左室内径短縮率)→全般的な心機能の指標である。
![]()
正常犬の左室長軸像
左心房内に血液の乱流を認めない。この子は当然心雑音がありません。
左室長軸像では左心房の拡大の有無や僧帽弁の肥厚や逸脱の評価をします。
(症例1)僧帽弁閉鎖不全と三尖弁閉鎖不全の併発
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9歳ミニチュアダックスで僧帽弁閉鎖不全と三尖弁閉鎖不全を併発している症例
僧帽弁閉鎖不全症 左室長軸像
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正常画像と比べると左心房内の乱流(モザイク像)が明らかです。
(症例2)僧帽弁閉鎖不全、左心房圧の上昇が顕著なケース
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14歳マルチーズ 僧帽弁閉鎖不全症 左室長軸像
左心房拡大、左室内腔狭小化像
![]()
僧帽弁逆流の逆流速を計測します。3.42mです。
左心房の圧が上昇しているので逆流速度の遅延が認められます。
左心房の圧が上昇すると、咳の回数や頻度の上昇が多く見られるようになります。
例え僧帽弁閉鎖不全の診断が出ていて、心臓薬を飲んでいても、
咳が治らない、減らない場合、左心房の圧が上昇している可能性があります。
左心房の圧をより下げる治療が必要となります。
当院の患者さんはもちろん、他院で「心臓に雑音が認められる」とだけ言われ、特に心臓の検査をしていない方も一度詳しく心臓の評価をしてみてはいかがでしょうか?
聴診はもちろん大切ですが、早期に新機能を評価することで、症状の進行を食い止める事ができます。
2008.04.12:29fuku | トラックバック (0)
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