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イヌ
肛門周囲腺腫
未去勢の雄犬、または去勢手術が遅くなると、ホルモンの影響で、
雌は乳腺腫瘍、雄は肛門の周りに腫瘍ができることがあります。
その中でも、良性のものを肛門周囲腺腫といい、
悪性のものを肛門周囲腺癌といいます。
今回の症例は14歳の柴犬、雄、去勢済みで、1~2年前より肛門付近にできものができ始め、最近になって、出血するようになったとの事で来院されました。
この症例は4歳の時に去勢手術を行っていましたが、肛門周囲腺腫、肛門周囲腺癌を疑って、
切除を行い病理検査を行いました。
切除した腫瘍のホルマリン漬けです。
以下は病理の検査結果です。
【病理診断】
肛門周囲腺腫(良性腫瘍)
【所 見】
肛門周囲腺由来の腫瘍細胞が胞巣状に増殖しています。腫瘍細胞には肛門周囲腺への高度な分化傾向が認められ、核および細胞には異型や悪性所見は観察されません。腫瘍細胞は浸潤性や脈管侵襲像などは観察されませんが、豊富な血管を形成し、一部で出血巣も認められます。マージンは確保されています。
【予 後】
転移や再発なく良好ですが、新たな腫瘤形成には注意を継続してください。
【コメント】
肛門周囲腺腫は高齢の雄イヌにしばしば発生する肛門周囲腺由来の良性腫瘍ですが、雌においても発生することがあります。悪性の場合は肛門周囲腺癌と言われますが、発生した腫瘍の8割は良性の肛門周囲腺腫です。この肛門周囲腺由来の腫瘍は雄では精巣から産生される雄性ホルモン依存性に発生し、そのため雄では去勢を実施することで腫瘍の増殖を抑制あるいは新たな腫瘤の発生を予防することが報告されていますが、去勢後の雄にも発生することがあります。
本症例は去勢済ですが、肛門周囲腺由来の腫瘍が観察されます。腫瘍細胞には核および構造の軽度な異型が認められますが、浸潤性増殖および脈管への侵襲像は認められないことから良性の肛門周囲腺腫と確定診断されます。
予後については、悪性所見は認められないこと、脈管侵襲像も観察されないことから切除後は転移なく良好です。ただし、本症例では去勢後に肛門周囲腺腫が発生していることから、今後とも新たな腫瘤形成の有無には経過を観察してください。
・・・・との事です。
我々獣医師がなるべく手術したくない部位の一つとして、肛門周囲が挙げられます。
それは、どうしても排便時に便が通過する為、傷口が感染したり、切開面のつきが悪い事があるからです。
今回の症例は14歳と高齢である事と、肛門周囲の腫瘍という事で心配しましたが、無事に抜糸することができ、元気に生活しているとのことです。
2007.08.18:29fuku | トラックバック (0)
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